セミファイナル京都戦振り返り&有明ファイナルズに向けて
セミファイナル京都戦、死闘を制してレイクス初の有明行きを果たしました。おめでとうございます。
――ありがとうございます。
チームのこの京都戦のテーマは『我々は正しくプレーする / We are going to play the RIGHT WAY』でした。京都に勝つにはそれしかないと思い、そして選手達は多くの時間で素晴らしく正しく戦ってくれました。正しくプレーする為に、チームには『京都をリスペクトしよう』と伝えました。
レイクスにとって2年連続で有明の道を閉ざされ、今シーズンも1勝3敗と負け越し、個人でもそれぞれ事情があるであろう京都に対しリスペクトすることは簡単なことではなかったかもしれませんが、我々はネガティブな感情を抱えたままこのシリーズを迎える訳にはいかないと思いました。選手達はこの難しい要求に応えてくれ、このゲームをリスペクトしてくれました。
また、我々にとって最もラッキーだったことは、試合会場の京都と滋賀が隣の府県だったということです。両日とも滋賀から大応援団が駆け付けてくださり、我々に力と勢いを与えてくれました。このシリーズの勝利はブースターの皆様のご声援なしにはありえませんでした。
試合が終わった後、HCが数秒間顔を伏せる姿がありました。有明への切符を手にして、どんな思いがこみあげてきましたか。

――難しいです。色々な感情があったと思います。嬉しさや喜びもありましたし、ホッとした思いもありました。また私自身も、レイクスターズの頑張りに感動したのかもしれません。とにかく、恥ずかしながらおおよそ感情をコントロールできる状態ではありませんでした。
試合後の会見では「ヘッドコーチ人生で一番苦しいシーズンでした」と振り返りましたが、レイクスを率いて1年目の今季を振り返るといかがでしたか。
――レイクスのHCに就任させて頂き、初期の印象は『これは当分有明は難しい』でした。
過去に優勝チームのACや優勝経験チームのHCをさせて頂いた経験、または以前にNBAのチームや、昨年の夏にはNCAAで何度も優勝したことのあるアメリカの大学で勉強させて頂いた経験から、あまりにもカルチャーが違い過ぎると思いました。
しかし、有明はレイクス7年目の悲願であり、我々には各部門で優れた才能を持ったプレーヤー達がいました。その為、今シーズン中にどうにかしなければならないと思い、チームには相当厳しく接し、1度全て壊さなければと、私は嫌われ者を買って出なければなりませんでした。批判も多く、もし球団に理解が無ければ仕事を失うと毎日思っていましたので、まさに命懸けの思いでした。私にとっての幸運は、球団代表の坂井からの理解とアドバイスがあったことでした。
チームにはシーズン中によく何度も問いかけたことがあります。『強い組織は正しい者が間違っている者を上に引き上げてくれる。弱い組織は間違っている者が正しい者の足を引きずり下ろす。僕達は今どっちだ?』『今日の僕達は優勝に相応しいチームだったか?』
いま同じ問いをしたらどうでしょうか?きっとポジティブな答えが返ってくるはずです。
このセミファイナルも一筋縄ではいかない激戦でした。厳しい守備でものにした第1戦から、逆に京都自慢の堅守を破りきれなかった第2戦と、互いに一歩も譲らない二戦でした。
――第1戦は、多くの時間で予定通りの展開で実行力も高く、オフェンス・ディフェンス共に素晴らしかったと思います。第2戦は、選手達の勝ちたい気持ちが強過ぎたことから、ディフェンスは大雑把にボールを取りに行き過ぎましたし、オフェンスはボールと人が動かず難しいショットが多かったです。後日、第2戦のビデオを観ましたが、改めて観ると良い内容だったとは到底言えない内容でしたが、それでも最後まで接戦に持ち込めたのは違う側面でチームの成長と粘り強さやハートの強さを感じられた試合でした。
二戦目では、レイなどがフラストレーションをためてしまった場面もありましたが、HCが懸命に声をかけていました。大一番にあたって選手のメンタル面はやはりいつもとは異なりましたか。
――やはりいつも通りとはいかない場面もありました。レイに関しては前日もファールトラブルで良いパフォーマンスができていませんでしたので、フラストレーションが溜まっていたのだと思います。
フラストレーションを出してしまえば京都のゲームになってしまいます。重要なことは京都やレフリーではなく”我々がどうするか”でした(=我々は正しくプレーする)。しかし、レイは気持ちを切り替え、第2戦後半からは常にチームにポジティブな言葉をかけ、皆を大声で励まし続けてくれ、最終決定戦では最後の5分間だけで、チーム最多の8得点と勝負を決定付けるディフェンスでチームを有明へ導いてくれました。
そして、1勝1敗のタイで迎えた最終決定戦までの30分のインターバル。ロッカールームでどんな言葉をかけて選手たちを送り出しましたか。
――第2戦が終盤、ラスト数十秒まで分からない状況でしたので、敗戦がほぼ決定的になった時の終わり方について私には2つの選択肢がありました。
『その時プレーしている選手をそのまま出してゲームを終えるか』
『全選手を交代させてゲームを終えるか』
もっと早い段階で敗戦が濃厚になっていれば、決定戦への休養を考え全選手を交代させるべきだと思っていましたが、ラスト20秒でしたので休養はもう関係なく、決定戦へのメンタルの問題でした。その時、コートには決定戦も多くの時間をプレーするであろう選手が出ていましたので、彼らの意識を第2戦から切り離す為には、負けの瞬間にコートに立っているよりも、交代させた方が切り替えやすいのではと思い、ラスト20秒で全選手を交代させました。最も辛い役割を引き受けてくれた小川・武田・溝口・鈴木・井上には頭が上がらない思いであり、尊敬に価すると思っています。
そのようなこともあり、決定戦へ向けては『次のゲームは別のゲームであること、10分で終わってしまうので勢いと流れを掴みにいくこと』などを話し、30分のうち15分間を自由時間にしました。
この時、岡田も「みんな顔が暗い。このままじゃさっきの40分の続きになってしまう。切り替えて、この大事な10分間に集中しよう」と声をかけたそうですね。レギュラーシーズンの対京都最終戦で今季初白星を上げた試合(3/15)でも、「この場所で、この相手とプレイオフを戦うかもしれない。このままでは終われない」と檄を飛ばすなど、シーズン終盤では岡田のリーダーシップが光りました。
――選手から良い発言が出ることはとても良いことです。場合によっては、私が同じことを10回言うよりも選手が1回言ってくれた方がよっぽど効果がある場合もあります。岡田に関してはシーズン中にリーダーシップの面でも成長しました。決定戦の終盤でのタイムアウト時も「京都相手に3点差で十分だと思うか?集中力を切らしたら負けるぞ」とチームを鼓舞してくれましたし、その言動は彼はチームの方針通り京都を最後までリスペクトしていた象徴だと思いました。
さあ、いよいよ初の有明の舞台です。小川も「この7年の思いは、有明で勝ってこそ報われる」と選手たちは頂点しか見えていませんね。
――チームとしては、京都戦はもう過ぎたことであり、小川の言う通り次は有明と浜松戦にフォーカスするべきです。誰もが何が起こるか分からないと言う一発勝負の有明で、まずは昨シーズンの優勝チームを破って有明進出を果たした伝統のある強敵浜松との対戦です。「この7年間の思い」と言うこの7年間を唯一知っている小川の為にもファイトしたい思いです。
HC自身も、ヘッドコーチとして臨む初めての有明です。期するものはあるのではないでしょうか。
――どのような職種もそうかもしれませんが、我々プロアスリートも応援してくださる皆様あって成り立つ仕事です。
我々の存在意義は、人の為に戦うこと。
我々の目的は、感動など人の心が大きく動くスポーツの持つ美しさを伝えること。
我々の目標の優勝は、その最たるところだと思います。
有明も良いプロセスの上に結果は付いてくると信じていますし、皆さんが喜んでくれるゲームを目指したいと思っています。
========================================
何度も苦境に追い込まれながら、それでも自分たちを信じて戦った選手たち。2008年のbjリーグ参戦以来、待ち望んできた歓喜の瞬間が初めて訪れました。レイクス初の有明ファイナルズ。そして、選手たちの視線はその頂点に向いています。あと2戦、一丸で戦い抜く選手たちに熱いブーストをお願いします!
TKbjリーグ ファイナルズ2015 カンファレンスファイナル浜松戦は23日13:10TIPOFF、そしてファイナルは24日17:10TIPOFF!目指せ優勝!ゴーレイクス!

――ありがとうございます。
チームのこの京都戦のテーマは『我々は正しくプレーする / We are going to play the RIGHT WAY』でした。京都に勝つにはそれしかないと思い、そして選手達は多くの時間で素晴らしく正しく戦ってくれました。正しくプレーする為に、チームには『京都をリスペクトしよう』と伝えました。
レイクスにとって2年連続で有明の道を閉ざされ、今シーズンも1勝3敗と負け越し、個人でもそれぞれ事情があるであろう京都に対しリスペクトすることは簡単なことではなかったかもしれませんが、我々はネガティブな感情を抱えたままこのシリーズを迎える訳にはいかないと思いました。選手達はこの難しい要求に応えてくれ、このゲームをリスペクトしてくれました。
また、我々にとって最もラッキーだったことは、試合会場の京都と滋賀が隣の府県だったということです。両日とも滋賀から大応援団が駆け付けてくださり、我々に力と勢いを与えてくれました。このシリーズの勝利はブースターの皆様のご声援なしにはありえませんでした。
試合が終わった後、HCが数秒間顔を伏せる姿がありました。有明への切符を手にして、どんな思いがこみあげてきましたか。

――難しいです。色々な感情があったと思います。嬉しさや喜びもありましたし、ホッとした思いもありました。また私自身も、レイクスターズの頑張りに感動したのかもしれません。とにかく、恥ずかしながらおおよそ感情をコントロールできる状態ではありませんでした。
試合後の会見では「ヘッドコーチ人生で一番苦しいシーズンでした」と振り返りましたが、レイクスを率いて1年目の今季を振り返るといかがでしたか。
――レイクスのHCに就任させて頂き、初期の印象は『これは当分有明は難しい』でした。
過去に優勝チームのACや優勝経験チームのHCをさせて頂いた経験、または以前にNBAのチームや、昨年の夏にはNCAAで何度も優勝したことのあるアメリカの大学で勉強させて頂いた経験から、あまりにもカルチャーが違い過ぎると思いました。
しかし、有明はレイクス7年目の悲願であり、我々には各部門で優れた才能を持ったプレーヤー達がいました。その為、今シーズン中にどうにかしなければならないと思い、チームには相当厳しく接し、1度全て壊さなければと、私は嫌われ者を買って出なければなりませんでした。批判も多く、もし球団に理解が無ければ仕事を失うと毎日思っていましたので、まさに命懸けの思いでした。私にとっての幸運は、球団代表の坂井からの理解とアドバイスがあったことでした。
チームにはシーズン中によく何度も問いかけたことがあります。『強い組織は正しい者が間違っている者を上に引き上げてくれる。弱い組織は間違っている者が正しい者の足を引きずり下ろす。僕達は今どっちだ?』『今日の僕達は優勝に相応しいチームだったか?』
いま同じ問いをしたらどうでしょうか?きっとポジティブな答えが返ってくるはずです。
このセミファイナルも一筋縄ではいかない激戦でした。厳しい守備でものにした第1戦から、逆に京都自慢の堅守を破りきれなかった第2戦と、互いに一歩も譲らない二戦でした。
――第1戦は、多くの時間で予定通りの展開で実行力も高く、オフェンス・ディフェンス共に素晴らしかったと思います。第2戦は、選手達の勝ちたい気持ちが強過ぎたことから、ディフェンスは大雑把にボールを取りに行き過ぎましたし、オフェンスはボールと人が動かず難しいショットが多かったです。後日、第2戦のビデオを観ましたが、改めて観ると良い内容だったとは到底言えない内容でしたが、それでも最後まで接戦に持ち込めたのは違う側面でチームの成長と粘り強さやハートの強さを感じられた試合でした。
二戦目では、レイなどがフラストレーションをためてしまった場面もありましたが、HCが懸命に声をかけていました。大一番にあたって選手のメンタル面はやはりいつもとは異なりましたか。
――やはりいつも通りとはいかない場面もありました。レイに関しては前日もファールトラブルで良いパフォーマンスができていませんでしたので、フラストレーションが溜まっていたのだと思います。
フラストレーションを出してしまえば京都のゲームになってしまいます。重要なことは京都やレフリーではなく”我々がどうするか”でした(=我々は正しくプレーする)。しかし、レイは気持ちを切り替え、第2戦後半からは常にチームにポジティブな言葉をかけ、皆を大声で励まし続けてくれ、最終決定戦では最後の5分間だけで、チーム最多の8得点と勝負を決定付けるディフェンスでチームを有明へ導いてくれました。
そして、1勝1敗のタイで迎えた最終決定戦までの30分のインターバル。ロッカールームでどんな言葉をかけて選手たちを送り出しましたか。
――第2戦が終盤、ラスト数十秒まで分からない状況でしたので、敗戦がほぼ決定的になった時の終わり方について私には2つの選択肢がありました。
『その時プレーしている選手をそのまま出してゲームを終えるか』
『全選手を交代させてゲームを終えるか』
もっと早い段階で敗戦が濃厚になっていれば、決定戦への休養を考え全選手を交代させるべきだと思っていましたが、ラスト20秒でしたので休養はもう関係なく、決定戦へのメンタルの問題でした。その時、コートには決定戦も多くの時間をプレーするであろう選手が出ていましたので、彼らの意識を第2戦から切り離す為には、負けの瞬間にコートに立っているよりも、交代させた方が切り替えやすいのではと思い、ラスト20秒で全選手を交代させました。最も辛い役割を引き受けてくれた小川・武田・溝口・鈴木・井上には頭が上がらない思いであり、尊敬に価すると思っています。
そのようなこともあり、決定戦へ向けては『次のゲームは別のゲームであること、10分で終わってしまうので勢いと流れを掴みにいくこと』などを話し、30分のうち15分間を自由時間にしました。
この時、岡田も「みんな顔が暗い。このままじゃさっきの40分の続きになってしまう。切り替えて、この大事な10分間に集中しよう」と声をかけたそうですね。レギュラーシーズンの対京都最終戦で今季初白星を上げた試合(3/15)でも、「この場所で、この相手とプレイオフを戦うかもしれない。このままでは終われない」と檄を飛ばすなど、シーズン終盤では岡田のリーダーシップが光りました。
――選手から良い発言が出ることはとても良いことです。場合によっては、私が同じことを10回言うよりも選手が1回言ってくれた方がよっぽど効果がある場合もあります。岡田に関してはシーズン中にリーダーシップの面でも成長しました。決定戦の終盤でのタイムアウト時も「京都相手に3点差で十分だと思うか?集中力を切らしたら負けるぞ」とチームを鼓舞してくれましたし、その言動は彼はチームの方針通り京都を最後までリスペクトしていた象徴だと思いました。
さあ、いよいよ初の有明の舞台です。小川も「この7年の思いは、有明で勝ってこそ報われる」と選手たちは頂点しか見えていませんね。
――チームとしては、京都戦はもう過ぎたことであり、小川の言う通り次は有明と浜松戦にフォーカスするべきです。誰もが何が起こるか分からないと言う一発勝負の有明で、まずは昨シーズンの優勝チームを破って有明進出を果たした伝統のある強敵浜松との対戦です。「この7年間の思い」と言うこの7年間を唯一知っている小川の為にもファイトしたい思いです。
HC自身も、ヘッドコーチとして臨む初めての有明です。期するものはあるのではないでしょうか。
――どのような職種もそうかもしれませんが、我々プロアスリートも応援してくださる皆様あって成り立つ仕事です。
我々の存在意義は、人の為に戦うこと。
我々の目的は、感動など人の心が大きく動くスポーツの持つ美しさを伝えること。
我々の目標の優勝は、その最たるところだと思います。
有明も良いプロセスの上に結果は付いてくると信じていますし、皆さんが喜んでくれるゲームを目指したいと思っています。
========================================
何度も苦境に追い込まれながら、それでも自分たちを信じて戦った選手たち。2008年のbjリーグ参戦以来、待ち望んできた歓喜の瞬間が初めて訪れました。レイクス初の有明ファイナルズ。そして、選手たちの視線はその頂点に向いています。あと2戦、一丸で戦い抜く選手たちに熱いブーストをお願いします!
TKbjリーグ ファイナルズ2015 カンファレンスファイナル浜松戦は23日13:10TIPOFF、そしてファイナルは24日17:10TIPOFF!目指せ優勝!ゴーレイクス!

Posted by 滋賀レイクスターズ.at 2015年05月14日15:42