遠山の地声

京都戦振り返り&ホーム福岡戦に向けて

 先週末は敵地での京都戦、1勝1敗でした。前回ホームでの連敗と同じような点差で敗れた初戦と、主導権を渡さずに勝ち切った2戦目と、対照的な2試合だったと思いますが、HCのこの2戦の評価はどうですか。

 ―今回の対戦では、土曜日の前半は点数こそ4点差でビハインドでしたが我々には大きなストレスは無く、逆に前半は京都の方がフラストレーションを溜めてゲームをしていました。日曜日は多くの時間帯で主導権を握れていましたので、土曜日のゲームも含めフラストレーションの多かった前回の対戦とは全く違う感覚でした。
 
 土曜日は最終的な点差こそ前回と同じ様な数字でしたが、プランが全く実行できなかった前回とは違い成功した面もあり、我々にはやるべきことはクリアでしたし、日曜に向けて危機感はありましたがネガティブではありませんでした。
 
 そういった意味では対照的な2試合ではありませんでした。1勝1敗でしたが、今後やプレーオフに向け前向きな評価ができます。

 土曜日は前半終了時点で30-34と競り合いに持ち込んでいただけに、後半開始からの相手のオールコートプレスに対応できずにリズムを崩してしまったのが残念でした。ハーフタイムに選手たちに指示はしていたとのことでしたが、選手たちが相手の圧力に我慢できなかったということでしょうか?

 ―まず、後半は相手のオールコートプレスに対応できなくてリズムを崩したわけではありません。

 3Qの最初のオフェンスでターンオーバーをしてしまった為に、そのような印象がついてしまったのかもしれませんが、2分後には2点差まで詰め寄っていますし、3Q開始1分を過ぎた頃にはもうフルコートプレスはされていません。

 劣勢の直接的な原因は3Q7分半過ぎ頃から毎ポゼッションでトータル6本のオフェンス・リバウンドを拾われ我慢できず、そのセカンド・チャンスのほぼ全てをスコアされてしまったことと、オフェンス・リバウンドのハッスルからモメンタムを掴まれ、トランジション・ディフェンスが散漫になり、多くのイージーレイアップとオープン3Pを与えてしまったことです。その結果、我々は雑になってしまい、3Qだけで6本のターンオーバーを犯してしまいました。

 また、この日はコッツァー選手に31得点と、インサイドを支配されてしまいました。試合中に対応するのは難しかったでしょうか?

 ―コッツァー選手には得点されましたが、一方で前半は他の選手の得点を抑えることができました。京都のチーム全体としての得点を前半は34点に抑えることができましたし、そこは狙い通りでした。残念ながら3Qに前の質問の事態が起きてしまったので、一試合を通じてはプラン通りにいかなかったですが、前半を見ると、とても有意義なチャレンジができたと思います。

 翌日はコッツァー選手を2点に抑えることができましたし、日曜日の成功例から今後はトラブル等が発生した時に、ゲーム内でのプラン変更も視野に入れていく必要もあるでしょう。

 一方の2戦目は、序盤から攻守とも積極性が目立ちました。岡田が、前日の試合後に選手の前で「ここ(ハンナリーズアリーナ)でプレイオフを戦う可能性もあるし、このままでは終われない」と檄を飛ばしたそうですね。

 ―岡田はチームに必要な非常に良いコミュニケーションをはかってくれました。

 また、日曜のゲームは選手それぞれが素晴らしい働きをし、岡田自身も26得点の大活躍でしたが、勝利の最も大きな要因は、”岡田がルーズボールに3回ダイブした”ことです。ダイブした3回ともマイボールにできましたし、岡田のような優れたスコアラーがハッスルプレー(=ルーズボール・ダイブ)でルーズボールにダイブ(=勝利への執念)したことが勝利の最大の要因でした。

 また、実際には1試合に同じ選手が3回もルーズボールにダイブすることは、それほど簡単なことではありません。まずルーズボールにダイブする”機会”がなければ、そのハッスルプレーは生まれないのですから。その”機会”を探し続けた岡田とチップアウトなどをして”機会”を作ったチームメイトと、素晴らしい”チームプレー”でもありました。

 ちなみに、NBAの往年のスーパースター、ラリー・バードも「ルーズボールにダイブできなくなったらバスケットを辞める」と言っていたほど、自他共に認めるルーズボール・ダイブの執念が最も大きな魅力の選手でしたが、岡田のダイブでチームがまた1つ成長できたのではと思っています。

 前日やられたコッツァー選手も2得点に封じましたし、HCがよく強調する「一試合を通じて集中してプランを実行する」というのができた試合かと思いますが、できる試合とできない試合、その違いはどこから生まれるのでしょうか。

 ―今回のゲームのメインテーマは『POISE and PATIENT』(落ち着いて冷静でいること、我慢すること)でした。

 京都とはダービー戦ということもあり、フィジカルな激しいゲームになりがちです。京都も勝利への執念を見せてきますから、そこで熱くなりすぎてしまうと、フラストレーションを募らせ集中力を切らせてしまい、違う方向へ気が向いてしまいます。それでは1試合通じて集中することも困難になってしまいますので、我々は正しくプレーすることと我慢することを心がけました。

 また、時には1人の力では我慢することが難しい状況もあるでしょう。チームがバラバラであったり、セルフィッシュで人のことを思いやれない集団であれば我慢することができなくなり集中力も持続しません。良いゲームをする為には必ずチームメイトの力が必要になります。その為には日々の練習から緊張感のある厳しい雰囲気とファイトする習慣を身に付け、自分を律し、チームメイトを思いやり助け合う強い集団にならなければなりません。

 多くの人間にとって、普段はできなかったりやらないことがゲームでいきなり出来るワケがありませんし、練習は適当にヘラヘラで試合だけ真剣にやってそのうえ勝利するなど相当困難でしょうし、虫がいい話です。

 『できる試合とできない試合』の答えが簡単で誰でもできるのであれば毎試合がパーフェクトでしょうし、対戦相手がいることですので尚更難しいと思います。しかし、我々はチームの”輪”の中、アンセルフィッシュネスでお互いを補い、思いやり助け合うことで良いゲームができるチームを目指しています。

 今回は1勝1敗でしたが、岡田も試合後の会見で話していたように、プレイオフでは上位チームから2つの白星をもぎとらないといけません。2つ目の白星をつかみ取るためには何が必要でしょうか

 ―これも安易な答えは難しいですし色々あると思いますが、2日続けて徹底することや、ファイトすることや、集中し我慢することなど、メンタル・タフネスが必要になってくると思います。その為には日々の練習からプロセスを大切にし、正しいことを正しく継続することが大事だと思っています。

 さて、今週末はホーム大津で福岡戦です。先々週のアウェイでの対戦では連勝しましたが、初戦のウッドベリーのブザービーターがなければどう転ぶかわからない2試合だったと思います。特に、2戦計57得点と手を焼いたペッパーズ選手への対策が必要かと思いますが、いかがですか。

 ―福岡はペッパーズ選手や青木選手、ハンフリー選手など非常に能力が高い選手がおり、前回の対戦では小野選手に多くの3Pを決められてしまいました。ペッパーズ選手は非常に危険な選手ですので対策を立てて臨まなければなりませんし、チームが勝つ上で最良の方法を選択していきたいと思っています。
 
 前回のブログにも書きましたが、ウッドのブザービーターが必然的なシュートだったのであれば、今回も偶然ではなく丁寧な良いプロセスの上での結果としての勝利を目指すべきだと思っています。

 そして、ホームゲームも今節を含む残り2節となり、いよいよプレイオフが迫ってきた感があります。ホーム開催のできる4位以内確保、そして上位3チームの撃破に向けて、チームの見通しはいかがですか。

 ―シーズンも終盤に差し掛かり、プレーオフを見据えてチームは良い雰囲気になってきていると思います。これは、単なる上辺だけの仲良し集団ではなく、厳しさを保ったまま良い雰囲気作りをしようとしている選手の日々の努力があるからです。プレータイム等関係なく、チーム全員が大きなことの一部分になることを目指しています。

 良い状態でプレーオフに臨めるよう、日々の練習と今週のゲーム1戦1戦を大切に戦っていきたいと思います。

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 今季なかなか内容と結果が一致しなかった京都戦で、最後の4戦目にしてようやく自分たちのプレーを40分間やりぬくことができたレイクス。プレイオフでの顔合わせを考えても、大きな白星になるかもしれない。
 今節対戦する福岡は西地区最下位とはいえ、プレイオフ圏内の8位まではわずか1ゲーム差。モチベーション高く望んでくるだけにあなどれない。攻撃力の高い青木、ペッパーズらをどう封じるか。京都戦でコッツァーを抑えたように、相手のキーマンを封じる試合運びができれば、勝利が近づくはずだ。
 ホーム福岡戦は滋賀県立体育館で21日(土)18:00、22日(日)14:00 TIP OFF!!

Posted by 滋賀レイクスターズ.at 2015年03月19日21:12
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