遠山の地声

アウェイ名古屋D戦レビュー&ホーム大阪戦プレビュー

 先週末は西地区首位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦でした。初戦の試合後にHCが「日々取り組んできたことが大外れではなかった」と述べたように、好調の首位チームを相手に両日とも互角の展開でした。それだけに、後半に流れを失っての連敗は悔しいですね。

――日々の取組み、そして名古屋戦への準備には良い面と良くない面がありました。

 京都戦後の週明けの練習前に、数人の選手に「ノブが怪我で抜けたことで『いつもと同じ週』ではなくなった。それぞれがノブを補わなければならない。ノブの良さをよく考え、皆んなでノブの穴を埋めて欲しい」と伝えました。

 その中で、特に菅原が私の話をよく『聞き』、『考え』、そしてコート上で『実行』してくれた週で、菅原は練習中からディフェンスでハッスルし、いつもの練習よりも積極的にスコア(特にペリメーターシュート)に絡み、目に見えてステップアップしてノブの穴を埋めようとしてくれていました。

 単に『考え』てノブの分まで頑張ろうと『思う』だけでなく、それをコート上の練習で『行動』に移す菅原の姿勢が、我々により良いものをもたらしてくれました。

 それとは裏腹に、土曜日に試合会場に到着した時のチームの雰囲気がとても緩く、私から見ればまるで6連勝でもしているような感じでした。(当然、6連勝しているチームはそんな緩い雰囲気にはなりませんが)

 ゲームに向け良い意味でリラックスしているのではなく、ゲームと勝利への準備に対して緩い雰囲気です。幸いレイクスの選手達は話せばすぐに分かってくれる集団ですので、すぐに理解してくれたと思いますが、そう簡単で甘いものではありません。

 サッカープレミアリーグ、マンチェスター・シティ監督のペップ・グアルディオラが、チーム全員にクラブハウスで朝食と昼食を共にすることを義務づけ、更にクラブハウス内ではインターネット回線を遮断し携帯が使用できない外部と隔離された厳しい環境を作っていると、報道されていますが、なぜペップ・グアルディオラはそのようなことをしたのでしょうか?

 それは、徹底的に管理された環境をつくり、強制的に選手にサッカーに集中させる為、だと私は思います。

 違う視点で考えれば、世界最高水準の選手でさえ『それぐらいしなければ集団として集中することは難しい』ということだと思います。

 ペップ・グアルディオラの方法が正しいかどうかは私には分かりません。しかし、現在世界最高の監督の1人と言われている監督がそうすると言うことは、規則はそれほど重要でチームの集中はそれほど大変だということは間違いないでしょう。

 我々は、菅原の姿勢から、ステップアップの為には『聞いて』『みて』『考える』にプラス『行動』する重要性を学び、また、チーム全員で集中した環境を作り出す重要性を学びました。

アウェイ名古屋D戦レビュー&ホーム大阪戦プレビュー
 初戦は名古屋のターンオーバーを着実に得点につなげ、リードして折り返しましたが、前半でマブンガ、ウィーバーがともに3ファールとファールトラブルに見舞われ、徐々に流れを奪われてしまいました。計20本のターンオーバーももったいない展開でした。

――ゲームは予想通りの部分が多く、我々のプランや準備したディフェンスの方法を実行すれば名古屋を止めることができるということが分かり、選手達も手応えを感じることができた側面と、それ以外の部分、特に名古屋の個人個人のサイズとフィジカルが、レイクスの選手達の予想以上だったという側面があったゲームでした。

 また、ジュリアンとデイビッドのファールトラブルという今シーズン初めての予想外の出来事によって、ゲームのリズムが乱れた側面もありました。

 我々は、名古屋のゾーンプレスとゾーンディフェンスを警戒してゲームに望みましたが、想像よりも大きくフィジカルな選手に囲まれるプレスへの対応に時間がかかり、多くのターンオーバーを犯してしまいました。

 特に、3Qではリバウンドとターンオーバーで10回のポゼッションの差が出てポゼッション・ゲームで劣勢となり、シュート本数も名古屋の半分になってしまいました。

 私としては、ゾーンプレスとゾーンに対しての対策について、選手達は私からの指示通りに準備してくれていただけに、予想以上の状況で彼らを助けてあげることが出来ずとても悔しい思いです。

 続く2戦目も開始1分でサンバが立て続けにファールを重ねてしまい、3-12と大きく先行されてしまいましたが、代わって出場した樋口が5リバウンドと奮闘し、前半をリードして折り返しました。代わったメンバーが結果を出したのは頼もしいですね。

――サンバは2戦目においていくつかの方法を間違ってしまいましたが、名古屋戦後、より素直になり、ビデオを見直し、伸也やジュリアンに意見や方法を聞き、挽回しようと取り組んでいます。それが大事ですし、私はサンバが失敗したことよりも、今の姿勢が嬉しいです。

 また、樋口も持ち前の泥臭さ、ハッスルでチームに勢いを注入してくれ、大きく貢献してくれました。樋口は夏の練習で、チーム練習前の個人練習ですでに吐くほどワークアウトする真面目で一生懸命な選手です。そんな樋口がハッスルすることでチームに勢いがつき、またオフェンス・リバウンドを多く獲得することで実質的なポゼッションを増やしてくれ、良い状態で前半を終えることができました。

 彼らはオンザコート1の時間帯にプレーすることが多く、マッチアップでアドバンテージが取れるなど、どのチームにとっても鍵となるポジションでプレーする選手達です。彼らのステップアップに期待しています。

 ただ、後半はバーレル、張本など名古屋の主力に要所で得点を許しました。「ここ一番でビッグショットを決められたのが痛かった」と横江キャプテンが振り返っていましたが、終盤にこちらが8秒バイオレーションやフリースローのミスなどで見せた隙を突かれた形でした。

――確かに重要な局面でビッグショットを決められ、特に4Q残り2:27の張本選手の3Pは強烈でした。

 しかし、その時にマッチアップしていたジュリアンは正しい方法で守り、良いディフェンスをし、その上で張本選手に難しいシュートを決められてしまいました。これは、極端に言えば交通事故のようなもので、ジュリアンは悪くなく、仕方が無いシュートでした。同じ様に、レイクスも4Q7:33に横江が、5:37にジュリアンが相手からしたら交通事故のようなシュートを決めています。

 しかし、張本選手の3Pでチームは平常心を無くしてしまいました。

 ここで重要なのは、張本選手のビッグショットは『我々のミスではない』のです。それまでは2点差だったのがこのショットで5点差になり、結果的に流れを一気に奪われてしまいましたが、我々はこのショットを気にするよりも、ミスではなく、我々は正しくディフェンスしていたのであれば、自信を持って約2分半で5点差を逆転することに迅速にフォーカスしなければなりませんでした。約2分半で5点差が逆転されることなど、バスケットボールではよくあることです。

 また、ミスではないビッグショットを気にするよりも、我々はそれ以前にあった小さなミスを消して行くことの方を遥かに気にするべきです。

 ミスもスコア等と同様に、もし1人の選手は1回しかミスをしていなくても、チーム全員が1回ずつミスをすると10回になります。「自分の1回ぐらいのミスはいいや」から「チームの為に自分は1つでもミスを少なくする」に考え方をシフトし、もっと強く集団責任を持つことが大切だと改めて認識させられたゲームでした。

 バスケットは”流れのスポーツ”ですので、小さなことにこだわることでこちらに流れを引き寄せ、ゲームのリズムによって終盤の相手のビッグショットがバッドショットに変わる手助けをしてくれます。

 私自身は、残り2分半に5点差になり、チームが平常心を失っても、それでも彼らを勝たせる為にまだ私にもできることがあったと信じていますし、それができなく彼らを勝者にする手助けができなかったことがとても悔しいです。

 今週末からは2週連続のホームゲームです。まずは大阪エヴェッサとの関西ダービー。レイクス1勝、大阪2勝とともに波に乗れないチーム同士の対戦、上位浮上へのきっかけをつかみたいところです。大阪は新加入のハレルソンがリーグトップの1試合平均リバウンド13.6本。外も得意で、3%成功率は40.4%と手ごわい新戦力です。相馬、綿貫ら日本人シューターにも注意したいところです。

――名古屋初戦の試合後、田中が「夜、部屋に行っていいですか?絶対勝ちたいからコーチと話したい」と夜にホテルの私の部屋に来てくれ、一緒に試合の映像を見ながら話し合いました。

 後に聞いたところ、サンバも伸也の部屋を訪ね、一緒に試合を見たようです。

 ジュリアンは毎週末できる限り私や伸也と一緒に試合を見直そうとし、それができない時はメールで私に意見やアドバイスを求めてきます。

 大阪もこれまでの対戦相手と同様に強敵です。しかし、レイクスの選手達のこの姿勢があれば、我々はステップアップでき、勝利できると信じています。
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 首位名古屋Dに連敗を喫しましたが、選手たちの闘志はまったく衰えていません。この苦境を糧に、さらなるステップアップを目指すレイクス。今週末からは2週連続のホームゲーム、まずは大阪エヴェッサを迎え撃ちます。
 上位追撃のためには負けられない両チーム。両チームの意地がぶつかり合う関西ダービー、ホームウカルちゃんアリーナをレイクスブルーで染め上げて、選手たちと共に連勝をつかみましょう!

☆2週連続ホームゲーム第1弾!燃える関西ダービー!ホーム大阪エヴェッサ戦☆
10/22(土)18:00 TIPOFF、23(日)14:00 TIPOFF
ウカルちゃんアリーナ

☆ゲーム情報はこちら
https://www.lakestars.net/news/13761.html

☆会場でレイクスを応援しよう!小中高生無料観戦パス「ウカルちゃんパス」のご案内
https://www.lakestars.net/news/12755.html

☆スポナビライブでも生中継!今なら月額利用料半額&観戦チケットが当たるキャンペーン実施中!
http://ckantan.jp/dm/mob/dm_comfirm.jsp?cmcd=4100051077
Posted by 滋賀レイクスターズ.at 2016年10月20日10:38
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