福岡戦振り返り&アウェイ奈良戦に向けて

滋賀レイクスターズ

2015年03月26日 11:16

 先週末はホーム大津でのライジング福岡戦でした。地区最下位と苦しむ相手に連勝したいところでしたが、二戦目は痛恨の逆転負けを喫してしまいました。

 ―日曜日はレイクスとしては厳しい敗戦となってしまいました。

 バスケットでは同じカテゴリーのチームでの試合は順位など関係なくいかに連勝することが難しいかを痛感させられたゲームでした。前節も含め最近では毎週他のゲームでもアップセットが起こっており、リーグ全体としてメンタル・ゲームの要素が強い時期になってきていると思います。

 特に福岡は現状では実力のある選手を数多く要し、我々にとって不慣れな戦術を用いられ、試合を通じてもっと良い緊張感と集中力を持続させる必要がありました。

 まず、土曜日は来日中の母親が観戦していたレイが27点。岡田も19点と、攻撃陣が引っ張りました。「最近『90点以上取れ』と言っているけど、本当はそれを超えて100点取ってほしいね」と前々から言っていたHCにとっては、溜飲が下がったのではないでしょうか。

 ―胸のつかえが取れたという程でもありませんが、最近は積極的にスコアをしてもらいたいと思っていたので、選手が思い切り良く沢山スコアを目指してくれた姿勢が良かったです。

 プレーオフではどのチームもディフェンスが格段に厳しくなりますので、そろそろプレーオフに向け、ディフェンスだけではなくオフェンスやスコア面もプレーオフを見据えていかなければ今後スコアをすることが難しくなってしまいます。そういった目的から土曜日はレイやジェフや岡田を中心に多くのスコアをしただけではなく、よくボールも動いていましたし、32本のフリースローを打つこともできました。特にレイは数週間前に子供が産まれ、アメリカから母親が来日され、家族が見守るなか美しいシュートと情熱的なハッスルプレーでチームを牽引してくれました。

 一方で試合後の会見では「40分間、我慢できないことが多かった」と反省点を強調していましたが、まだまだ満足のいく試合ではなかったでしょうか。

 ―前節の京都戦でターンオーバーを8に抑えられたにも関わらず、18ターンオーバーをしてしまいましたので、スタッツ上で見えるミスも多かったですし、特に後半はフラストレーションを表に出し過ぎているシチュエーションが多かったです。その結果、意識の矛先がレフリーにいってしまったり、ディフェンスが大雑把になりイージーなスコアを多く許してしまい、リバウンド・ルーズボールへの意識も低くなってしまいました。

 特に、我々(レイクスも含めリーグ全体)はもっとレフリーをリスペクトしなければなりません。チームやリーグは様々な支えやご協力の上で成り立っていますが、同様にレフリーがいなければバスケットボールは試合をすることができません。私はレフリーを『敵』でも『味方』でもなく、良いゲームを提供する為の『同志』だと思います。レイクスはチームもブースターも”最もレフリーを批判しないチーム”になってもらいたいです。

 そして、続く二戦目に福岡のジョー・ブライアントHCが仕掛けてきたのがトライアングルツー。前日活躍したレイ、岡田の二人に厳しいマークをつけてきました。

 ―私はアシスタント・コーチ時代にブライアントHCにトライアングルツーを仕掛けられた経験がありましたので、「ブライアントHCならそろそろボックスワンかトライアングルツーを仕掛けてくるかもしれないね」とチームと話をしていましたので、実際には我々はそれほどビックリはしていませんでした。

 その為、ベンチでも小川が「遠山さん、トライアングルツーですね」と選手達もすぐに気付いてくれました。我々は多くのオープンシュートを打つことに成功しましたが、しかし、ほぼ全ての選手が初めての経験だった為、”なんとなくやりづらい”雰囲気がショットに悪影響を及ぼしてしまいました。

 ブライアントHCは、一戦目のハーフタイムにも「辛抱強く、ゆっくりとオフェンスを仕掛けるのが大事」とハイスコアゲームを避けるような指示を出していたようですが、二戦目は相手の思惑にはまってしまったという感じでしょうか。

 ―結果的には様々なちょっとしたズレが影響し、相手の思惑にはまってしまったと認めなければなりません。しかし選手はチームのコンセプトを大切にしてプレーしようとしてくれましたし、アンセルフィッシュでした。

 ただ、オフェンスのやりづらさがショットだけではなく、リバウンドやディフェンスなどあらゆる部分に悪影響を及ぼしてしまいました。多くの時間帯で福岡にモメンタムを掴まれ、本来であればリバウンド・ルーズボールやハッスル、ディフェンスのエクスキュート(実行、遂行)等で我々が流れを掴みにいかなければならないところ、相手の戦術や細かなミスの積み重ねで1試合を通じてディテール(細部)を徹底できない雰囲気になってしまい、ミスにミスを重ねる我々の悪い部分が出てしまいました。

 バスケットはオフェンスやディフェンス、様々な要素が複雑に絡み合ってゲームの流れを決するスポーツですが、それでも、場合によっては切り離して考え、やりづらい時こそディフェンスで我慢して機を伺うしたたかさと辛抱強さの必要性をチームは痛感させられました。

 4Q残り6:21での9点リードを守り切れませんでしたが、試合後の会見で遠山HCは「もっといい流れでプレーさせてあげられたなと反省です」と述べたり、会見終了後もスタッツを見て首をひねったり、HC自身が試合運びに少し悔いを感じているのかなと感じたのですが、今振り返るといかがですか。

 ―全て結果論です。結果論で言えば、今でも『方法はもっとあったな』と反省しています。悔いも感じています。

 しかし、ゲーム中に選手が打ってくれたオープンショットは全てベストだったと信じています。なぜなら、彼らは次にそのショットのチャンスが来れば迷い無く決めてくれるからです。

 細かいことや戦術の反省や悔いは色々とありますが、我慢が必要な日曜日のゲーム展開の時こそ、チームで最も謙虚で我慢強い”1番ヘタなチームの心臓”をもっと多くコート上に出しておくべきだったとも思っています。


 さて、今週からは奈良、埼玉、大分とアウェイ戦が続きます。シーズンの疲れも出てくるころであり、コンディションの維持も重要になりそうですね。

 ―コンディションに関しては十分過ぎるほど過敏になってくるでしょう。ゲームは毎週続き、練習もしなければなりませんし、コンディションにも気をつけなければなりません。とてもデリケートな時期ですが、コート上を含めオフコートでも丁寧に気をつけて生活できるかが重要になってきます。

 どのチームも同じだと思いますが、この時期からは練習量を削る作業にかからなければなりません。私がコントロールできるところ、選手それぞれがコントロールしなければならないところ、大きなことを成し遂げる為により一層の努力が必要になります。

 この3週はいずれも下位チームとの対戦であり、その後に浜松、沖縄の連戦があることを考えると、落としたくないところです。首位京都、最下位福岡とともに1勝1敗だったここ2週を踏まえて、2つ勝つために大事な部分はどこになりますか。

 ―メンタル・タフネスだと思います。

 あるゲームではやったことを、次のゲームではやらない、となるとそれは技術の問題ではありませんし、連勝は難しくなります。特に相手が原因で”やれなかった”ではなく”やならなかった”場合です。

 コート上でもベンチでも、チームや勝利に必要な大切なことをスタンダードにエクスキュートできるメンタリティーが重要です。練習中から雰囲気作りをし、ゲームで安定的に良いパフォーマンスを発揮できる状況を自分達自身の手で作っていかなければなりません。

 また、欲を言えば、毎試合で”数字に出ない感動”が欲しいとも思っています。今のレイクスにはそういう部分の積み重ねがチームを最も強くしていくと思います。

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 京都戦で発揮した自分たちの良さを持続しきれず、福岡相手に痛い星を落としたレイクス。ここから続く下位チームとのアウェイ3連戦では、その二の舞は許されない。
 まずは今週末の奈良戦。抜群のアシスト能力を持つ#1鈴木、得点力の高い#11タプスコットら、リーグランキング上位を争う好選手を擁するだけに、地区最下位とはいえ決して楽な相手ではない。HCの言うメンタル・タフネスを発揮し、チーム一丸の粘り強い試合運びで連勝を勝ち取れるか。その後の浜松、沖縄戦はもちろん、5月からのプレイオフでの戦いぶりも占う大事な一か月になりそうだ。
 アウェイ奈良戦は香芝市総合体育館で、28日(土)18:15、29日(日)14:00 TIP OFF!!